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頚椎症と枕~枕で頚椎症性神経根症は改善はするの?~

適切な高さの枕だと神経に悪い刺激がいかない

ここまで頚椎症についてお話をしてきました。

おさらいです。頚椎症には頚椎症性脊髄症と神経根症があります。今回はこの頚椎症性神経根症について。

是非、首の症状がある方は枕を適切に調節してほしいという話です。

脊髄症にも神経根症にももちろん枕有効ですが、特に強調したいのがこの神経根症に対して枕がとても有益だということです。

頚椎症性神経根症の多くの患者様にこの枕調節ということを指導してきて、患者さんが良くなっていくのをたくさん見てきました。

ですので、まず日常生活の指導として枕調節するということについてご説明をしています。


頚椎症性神経根症、これは簡単に言うと首の中の右側か左側、多くの場合は片側なんですがその神経の障害が出たとき神経根症と呼びます。

障害とは何かというと首から肩側の腕にかけて痛みがある。放散痛といって電気のようにビリビリッと響く痛みがある。また、その肩や腕、手の中にどこかしびれがある。

もっと症状がひどくなると物が持てなくなったり、字を書いたり、細かい動作ができなくなったりします。

ボタンが掛けられない。指先で細かいお札を数えたりみたいな小さな動きがしにくい。

こんなこともひどい運動障害が起こると出てきます。まずは痛みやしびれから始まることが多いです。

自分に神経根症があるかどうかをチェックする簡単な方法があります。もし痛みがあったらやらないでくださいね。

例えば少し上を向いて高いところの作業。電球を替えるとか高い所のお皿を取るとか何か高いところの動作をするようなときに、手を上げて上を向いた瞬間ビリビリビリッと手に痛みや痺れが走る。

またはゆっくりと首を回す体操をするときにどこかのタイミングでビリビリッと痛みや痺れが走る。

これは神経根症の可能性がある兆候です。そんな場合、ぜひ枕を整えて夜間の間に神経根を休め、神経を適切に回復させることをお願いします。


実際にやってみましょう。では一人一人の体に合った適切な高さの枕を使った場合と、ふかふかの柔らかい体に合わない枕を使った時に神経根症の患者さんがどのような悪い姿勢になったり、良い姿勢になることで神経根症が変わるのかを見ていきましょう。


こちらのモデルさんは仮に神経根症があると仮定します。

山田:最近、右の手が痛かったり痺れたりすることがあると伺いました。どんな動作をする時になりますか

モデル:首を傾けたりするとしびれたりします。

山田:右側に傾けると右の手がしびれますか?

モデル:はい。

山田:例えば日常生活の中で右側の感覚が鈍い、もしくは肘や手先が痛いと思うこともありますか?

モデル:たまにあります。

山田:たまにありますか。寝ていて朝起きた時はそういうことはありますか?

モデル:朝起きた時もあります。

山田:ありますか。その時枕が飛んでしまって頭の下からなくなっていること。これはないでしょうか?

モデル:ずれていることはよくあります。


枕がずれてしまう、合わない枕は自分の頭の下からずれてしまうんですね。枕がずれたりなくなってしまうと首の姿勢がとても悪くなるのでそこで首の神経根、根元に対して悪い刺激を与えてしまいます。

朝起きた時にもう既に手が痛かったり腕がしびれていたりこのような症状が出るとすれば、是非その神経根症に合う枕を使っていただきたいと思うわけです。

ではやってみましょう。まずこちらが高さをちゃんと調節した枕を準備しました。寝てみてください。

枕の高さを一人一人に合わせると首の角度が良くなります。これによってこの首の角度、適切な角度の中では脊髄という神経の本管とこの枝ですね、これがリラックスした状態になりますので常に首が楽だなっと一般的には感じると思います。

山田:今首から肩にかけて筋肉の緊張は抜けていますか?

モデル:リラックスしています。

山田:はい。いつも朝生じている右の肩から腕の痛みや痺れはありますか?

モデル:今のところ出てないですね。

山田:出てないですね。


山田:では横を向いてみましょう。ゴロッと横を向きます。首の神経の走り方が変わりますがこのようにおでこ、鼻、胸までが直線となり、床と平行になっていると神経は左右に枝が出ていますがこれを圧迫することがないので神経が楽に感じるはずです。

山田:今、首や肩腕の痛みはないですか?

モデル:どこも痛みはないです。

山田:下になっている肩や腕特にしびれや痛みはないですね?

モデル:痺れや痛みはないですね。


山田:はい。では反対向きしてください 今度は左を下に向いてみましょう。

これでも首が直線になっていると下になった手にも痛みはしびれは起こらないはずです。

山田:今、左側の腕や手先、痛みや痺れはないですか?

モデル:はい。

山田:では上向きから2回ほど寝返りを打ってみてください。手を前にクロスして膝を立ててこの状態から左右に寝返りを打ちましょう。

枕の高さが適切だと首の神経がぶれずに、首からの骨や椎間板の負担がかからず寝返りをすることができます。

神経には悪い刺激がいかないわけです。


では、柔らかい枕に変えてみましょう。

枕が柔らかいと夜中に潰れていきます。適切な高さが保てず低くなりすぎてしまった場合、何が起こるかというと神経の根元、神経根が圧迫されて片側の腕にしびれや痛みが出ます。

山田:今、横になってわずか5分ですが肩から腕にかけてそのしびれが少し出てきていますか? 

モデル:少し痺れている感じです。

山田:朝起きた時、その今の違和感、不快感これと同じような症状が出ているんでしょうか?

モデル:似たような症状があります。


山田:はい。では右横向きをしてください。

このように右の肩が圧迫される姿勢においては、頭が柔らかいので枕が斜めに下がってしまって首の右側の神経を圧迫します。

山田:今じわじわと右の肩から腕にかけてしびれや痛みが出てきているのではないでしょうか?

モデル:だんだん痛みや痺れが出てきました。

山田:出てきましたね。これはいつも朝感じている不快感、嫌な感じ症状に似ていますか?

山田:はい、そうです。


今このベッドに寝てまだ5分ぐらいしか経ちませんが早くも症状は出てきています。

これが6時間から7時間、長時間寝れば寝るほど症状が強くなることが予想されます。

山田:反対向きお願いします。もともと左の腕には神経の障害がなかったんですが今、左の肩や腕にもしびれは出ていますか?

モデル:痺れが出てきました。

山田:出てきましたね。

つまりのモデルさんの場合はもともと病気として神経根症を持っているという事も一つですが、姿勢が悪いことによって左にはなかった神経の障害が起こっているということが分かりました。

もともとの病気を持っている方、持っていない方いずれにもこの寝る姿勢が悪いだけで症状が起こってしまうということを記憶しておいてください。

山田:寝返りを打ってみましょう。高さを合わせた枕と比べて寝返りがしやすいですか?しにくいですか?

モデル:寝返りはしにくいです。

山田:体を向きを変えることが少し力が要りませんか?

モデル:力が入っています。


このように枕が柔らかかったり高さが適切に合っていないと、首がグラグラしながら腰や骨盤を一生懸命力を入れながら寝返りを打つことになるのでとても寝返りがしにくくなります。

寝返りがしにくいということは、症状が起こっている状態の寝姿勢ポジションを容易に変えるということがしにくくなるわけです。

一方、枕の高さが適切に合っていて寝返りしてみてください。

少し右向きでつらいと思っても容易に左向きができる。また体の向きを変えられる。

これがスムーズに行われれば軽い神経根症でしたら体位変化、体の向きの変えることによって症状が緩和することが期待できます。


今日は長くこの首の解剖ということを勉強してきましたが、首の神経が楽になることと寝返りが容易にできることでつらい姿勢をすぐに回避する。

こんなことがうまくできれば寝ている間の症状を軽くすること、もしくは日中に起こった症状を夜間に改善することすらできる可能性が十分あるのです。

今晩から枕の高さを整え首に負担のかからない姿勢で寝ることを心がけてください。是非、頚椎症と診断された方にはおすすめしたい方法です。




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